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安物ミシンは”使えない”のか?

はじめてのミシン

エピソード1:おもちゃミシン

わたしが初めてミシンを買ったのはウェディングの準備の時。こまごまと必要になる小物類、どうしてもイメージぴったりのものがなく、二次会のアクセ類やペーパーアイテムを作ったり、ピローやベアなどの縫い物を洋裁の得意な母にお願いしながら準備していましたが、直前になって、二次会のバッグがないことに気づいたのです。ドレスでの移動にトートバッグは合わないだろうな、と…

サテンの簡単な袋状でいいや、と思ったのですが、離れて住む母にお願いしている時間はない。この忙しいなか、手縫いはちょっとキツイ。と散々悩み、とにかく乗り切るために購入したのが「おもちゃミシン」でした。

今だと3,000円ぐらいの、ディスカウント店などで売られている曲線型もの。当時の値段は7,000円ぐらいだったかなぁ…

下手な縫い目は羽根やタック、ビーズなどでごまかし、無事、我ながら満足(近くでみなければ)、というクオリティに仕上がってくれたバッグは、当日大活躍してくれただけでなく、目ざとい女子たちがしっかりチェックしていたようで、その後友人たちの大切な瞬間も飾ってくれることになったのでした。

エピソード2:コンパクトミシン

わたしの母は長く自宅ソーイングをしてきた人で、高額ミシンや便利な機能には全く興味がないものの、必要最低限のパワーのミシンを乗り換えながら使い続けてきました。

ある日、不具合で修理に出した時、毎日毎日何かを縫い続けていた母は耐え切れずソワソワ。そして、以前「洋裁全然やらないから使わない?」といただいた押入れの奥のミシンの存在を思い出したのです。

それは当時通販で大人気だったコンパクトミシンで、いただいた時、「これで…縫えるの?」と思ってしまったそう。でもその時の母にとっては、地獄に仏、大海の木片、渡りに船…。ありがたく布をセットして、フットコントローラーを勢い良く踏み込むと…。

信じられる?
…飛んだのよ…

と振り返る母。電動歯ブラシのようなものをテーブルに置くと暴れるような感じでドドドドっと移動していったそうです。全体が軽すぎたのですね。

それでも、背に腹は代えられず、ミシンがなければ生きていけない母は、頭を押さえつけながら、マイミシンが戻るまでの間、いくつもの作品を生み出したのでした。

高いミシン VS 安いミシン

結局、わたしのおもちゃも母のコンパクトミシンも、その時の要望は十分に満たしてくれ、作品も仕上がったわけで、安いミシンでも用途によってはちゃんと活用できることが証明できました。

これは、母の場合、道具が変わっても癖を知って使いこなせる腕がありましたし、わたしの場合は「できるだけ安く、薄手の布を手縫いより早く縫い合わせたい」というだけのシンプルな用途にピッタリ合ったからでしょう。

さすがに、毎日洋服を縫うとか、雑巾やデニムなどの厚地を縫いたいといった用途には不向きでしょうし、頻繁に使うなら、糸調子だとか、手元が暗くて見えないとか、軽くて動いてしまうとか、色々ストレスが出てくるんじゃないかな、と思います。

はじめて選ぶ時って、自分やミシンが、どこまでできるのかが測れませんので、どうしても選ぶ基準が曖昧になってしまいます。安価なミシンのレビューが、「思ったより使えた」「ゴミだった」と2つに分かれてしまうのはそのせいでしょう。過度な期待や妥協の末に選んだ結果なら悪い印象は当然です。

では、高いミシンを買っておけば安心か、というと、「10万円超えの刺しゅうつき高性能ミシンがピカピカのまま、価値がなくなるまで押し入れに眠っている」というお話もよく聞きますので、結局、機能も価格も活かせるかどうかは人それぞれということになるんですよね。

まずはシンプルなミシンで作品を作り、技術アップしながら次のミシンに求める機能やパワーを見極めていく、という選択もあるのかな、と思っています。